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レナ先生の美と健康のためのコラム

SASの合併症⑥

「睡眠時無呼吸症の社会的損失」

 

前回までは、睡眠時無呼吸症(SAS)の病態や治療法、身体的合併症について述べてきました。今回はある意味合併症と言ってもいいのではないかと思われる、社会的損失をテーマにしたいと思います。

 

SASは睡眠の分断による自律神経の乱れと、無呼吸・低呼吸状態による低酸素状態が起こりますので、眠っていても脳はたびたび覚醒し、体は脳に酸素を送ろうと一生懸命に働いている状態です。そのために起こる昼間の強い眠気、だるさ、倦怠感、集中力が続かない、疲労感、記憶力の減退、抑鬱状態などの症状により,作業効率や生産効率がするため、ミスや居眠りから交通事故や労働災害などの大きな問題に発展するリスクが上昇します。

 

2003年に起きた山陽新幹線のオーバーラン事故では、SASを患う運転士が約8分間居眠り状態に陥り、大惨事に繋がるところでした。この事故をきっかけにSASの危険性が広く認識されました。2012年の関越自動車道での高速ツアーバス事故では乗客7名死亡、重軽傷者38名という惨事となり、国も再発防止策をまとめて際割くに乗り出しました。現在ではバス業界では7割、トラック業界では4割もの企業がSAS検診を導入しています。

 

1986年のスペースシャトルチェレンジャーの打ち上げ直後の爆発事故も,整備作業員の眠気による作業ミスが関与していると報告されていますし、1986年のチェルノブイリ原子力発電所爆発事故、その他いくつもの世界に知られる重大事故が睡眠障害との関連性を指摘されています。

 

また、以下のような様々な報告もなされています。

 

  • 日中の眠気による交通事故、仕事上のトラブルは眠気のない人の7倍
  • 運転中の眠気の経験割合は、SAS患者は4倍、居眠り運転は5倍
  • 中等度以上のSAS患者の交通事故はそうでない人の7倍
  • 重症度が高ければ高いほど事故率が上がる
  • 重症SAS患者の重大事故発生頻度は、そうでない人の9倍
  • アメリカでは年間4〜5万人の交通事故死亡者のうち15〜20%がSASに関連している

 

SASなどの睡眠障害による経済損失は年間3.4兆円という試算もあります。SAS対策は企業のリスクマネジメントであるのみならず、組織全体の生産性を向上させるものなのです。またそれと同時に悲しい事故を防ぐためにも、個人としてもSASに関心を持ち、治療をするべきであると、私は考えます。

 

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